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享保改革の研究

緊縮財政と新田開発等を、享保年間(1716~35)に、徳川吉宗が行った改革。目安箱の設置や公事方御定書も制定。三大改革の1つとして知られる。17世紀末より、通貨が混乱し、物価が上昇していた。また、幕府財政も大幅に悪化し、政治も立て直しが必要であった。本書は、享保改革を多方面より検討する。

【目次』
はしがき
序説 幕政研究史の回顧と享保改革の問題点
一 幕政展開過程のとらえ方について
二 享保改革の問題点
第一章 文治政治論
一 享保改革は武断復古か
二 所謂「文治主義政治」の性格
第二章 天和の治について
一 綱吉治世の問題点
二 酒井忠清の宮将軍擁立説
三 「賞罰厳明」と譜代層の圧迫
四 将軍専制と側近政治
五 直轄領支配の刷新
六 天和の治と元緑の政治
第三章 正徳の政局と新井白石
一 正徳政治の形態
二 詮房・白石の孤立と政治の停滞
第四章 吉宗の将軍継嗣と政局
一 吉宗の登場と譜代勢力
二 将軍権威の確立
三 目安箱設置をめぐる問題
第五章 将軍独裁政治の支柱
一 人材の登用について
二 勘定所機構の整備
第六章 徴租機構の改革と年貢増徴
一 代官所機構の改革
二 年貢の増徴
第七章 通貨の統一
一 正徳期の通貨問題
二 享保新金の鋳造について
三 新金銀通用令とその影響
四 元文の通貨政策
第八章 商業の統制
一 改革と商業資本との関係
二 物価政策と商業統制
結論
一 改革過程の三段階
二 享保改革の幕府政治史上の位置──幕政史の中期について