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宋代文人の詩と詩論

蘇軾を基軸に据えた宋代文人たちの多彩な詩境と、それを支える文学認識や修辞の考察を通し、宋詩と文人の綜合的な様相を浮き彫りにする。詩人を時代を生きる士大夫の生の全体性として把握し、詩作の営みの意味を追求するとともに、修辞の具体的な分析を通して豊かで深い文学の姿を提示する。著者の平易で落ち着いた筆致は、読者を文学史の諸相へと引き込み、文学の営みの普遍的価値の認識へと導いていく。宋詩研究に必須の研究。

【目次より】
I 蘇試の文学
一 蘇試の隠逸思想について 陶淵明との関係を中心として
二 蘇試の「和陶詩」について
三 蘇試の政治批判の詩について
四 蘇試の「南行集」の詩について
五 詩人における「狂」について 蘇試の場合
六 蘇賦の詩における修辞 誓喩・擬人法・典故
七 宋代の詩と詩論における「意」について 蘇試を中心として
八 蘇試と黄庭堅 自発主義と古典主義
九 風を繋ぎ影を捕える 蘇東波の詩
一〇  東波詞論考 作詞の場と作品の分析
一一 蘇東披の画論 題画詩を中心として
一二 蘇試の「墨戯」 文人画の形成
II 宋代詩人の詩と詩論
一 欧陽修の文章論
二 梅堯臣の詩論
三 王安石の詩と詩論
四 黄山谷 その詩と生涯
五 黄庭堅詩論考 典故の用法を中心として
六 陳師道の詩と詩論
七 陸游の詩における「憤激」と「閑適」
八 陳与義の詩と詩法について
九 楊万里の詩論と詩 近体詩を中心として
一〇  「風雲言志」考 朱熹における文学と哲学の統合
III 宋代詩論
一 宋代詩論に及ぼせる禅の影響
二 詩話にみる宋人の批評意識について
三 宋詩論にみる「平淡の体」について
四 滄浪詩話の研究
五 滄浪詩話 抒情の復権
IV 唐詩と宋代文学
一 王維「〓川集」の詩とその背景
二 李賀小論 比興の手法を中心として
三 李賀の詩 青春の彷徨
四 苦吟派の詩 孟郊試論
五 宋代詩人からみた李白と杜甫
六 宋人からみた白楽天 蘇東波の見方を中心に
七 宋の「話本」における人物形象
八 倪〓論
横山伊勢雄先生年譜・著作目録
あとがき