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中国詩文の美学

声律や対句などの技法により、緻密に構築された中国の詩と文。その表現形式を支える美の理念と原理に着目し、それが詩文の形式の創出にいかに生かされていったかを追跡。長い時間をかけて詩文形式が醸成されていくさまを俯瞰的に観察する。初めに、六世紀の文学理論書『文心雕龍』を美の原点にすえ、それが提起した問題点を、のちの理論家がどのように実践面で取り入れ形式美を創出していったかを、主に『文鏡秘府論』所収の文献から考察。その上で、律詩の形成過程を歴史的に考証して、五言律詩が漢代から六朝の宮廷詩人により形成される過程や、唐代の杜甫が試行錯誤を経ながら七言律詩を確立する過程に光を当てる。さらには、文に目を転じ、日本古代文学をも視野に、駢文文体の推移を論じる。明快な論述で文学創作形式の美に迫る必読書。

【目次より】
はしがき
一 創作技法論の展開 『文心雕龍』から『文鏡秘府論』へ
二 律詩の形成過程 句数と対句の側面から
三 五言八句詩の成長と永明詩人
四 四声八病から平仄対応ヘ
五 杜甫と七言律詩 ことに拗体詩について
六 遊宴詩序の演変 「蘭亭序」から「梅花歌序」に至る表現形式
あとがき