「救貧看護とフィランスロピア」既刊・関連作品一覧
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人間とは何か。キリスト教の発展とともに人間観に大きな変化が生じた。本書は、フィランスロピア(人間愛)という概念が二世紀以降どのように展開したのかを跡付け、ギリシア・ローマ世界に対して、受肉論をもとにレプラの病貧者を含む「貧者」を人間とする思想と実践がカッパドキア教父において展開したことを論じる労作。
【目次より】
まえがき
序論 問題としてのフィランスロピア 古代ギリシア・ローマ、古代ユダヤ思想、初期キリスト教
第一部 カッパドキア教父以前のフィランスロピア論の生成
第一章 使徒教父と弁証家におけるフィランスロビアの用法と救貧思想
第二章 アレクサンドリアのクレメンスにおけるフィランスロビア論の形成
第三章 疫病とフィランスロピア トゥキュディデス、ディオニュシオス、エウセビオス 第二部 カッパドキア教父における救貧とフィランスロピア
第四章 どうすれば貧者の苦しみがあなたには見えるのか 飢饉とカイサレアのバシレイオス
第五章 カイサレアのバシレイオスと「バシレイアス」 古代キリスト教における病院施設の一考察
第六章 ナジアンゾスのグレゴリオスとレプラの病伝貧者 第一四講話における救貧思想
第七章 フィランスロピアと終末論 ニュッサのグレゴリオスにおける救貧の思想
第八章 ニュッサのグレゴリオスにおける救貧と否定神学
第九章 なぜ神は人間になったのか 受肉論・フィランスロビア・救貧
結論
補遺一 新約外典文書におけるフィランスロピアの用例
補遺二 「キュプリアヌスの疫病」考
補遺三 ニュッサのグレゴリオスにおける「レプラ」の用法と意味
付録 バシレイオス説教「飢饉と旱魃の時期に」
あとがき
エウセビオス『教会史』におけるをフィランスロピア注合ならびに関連語の用例一覧
文献表
文献略号表