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ドイツ史の始まり

「遅れてきた国民」と形容されるドイツ人の複雑なアイデンティティ。問題の根源を、彼らの民族と国家の始まりにまで遡り、近代的な国民国家とは異質な特殊中世的な集団的自己のあり方を問う大作。政治=国制史および政治観念史の観点から、カール大帝から叙任権闘争までの三世紀余を対象に、普遍史・救済史的に理解された「ドイツ人のローマ帝国」という自己理解が出現・展開する様相を、関連史料の網羅的検証を通じて分析する。

【目次より】
序章
はじめに 二つの史料所見
第一部 政治=国制史的アプローチによる「ドイツ史の始まり」 八四三~九一九年
はじめに プロセスとしての「ドイツ史の始まり」
第一章 八四三年:ヴェルダン条約による帝国分割
第二章 八八七年:東西フランク王国の最終的分離
第三章 九一一年:東フランク=カロリング家の断絶
第四章 分国・大公・“部族”
第五章 九一九年:フランク人からザクセン人への王朝交替
第二部 「ドイツ人」と「ドイツ人の王国」
はじめに 「ドイツ史の始まり」の展開期
第六章 “フランク”と“ドイツ”の狭間(一)
第七章 “フランク”と“ドイツ”の狭間(二)
第八章 オットー三世・ローマ帝国の改新・“ドイツ人”(一)
第九章 オットー三世・ローマ帝国の改新・“ドイツ人”(二)
第三部 「ローマ帝国を担うドイツ人」 一一世紀初頭から叙任権闘争期まで
はじめに 「ドイツ史の始まり」の終点
第一〇章 一一世紀前半のローマ帝国と帝権的王権理念
第一一章 叙任権闘争とドイツ王国 「ドイツ」概念の政治的・歴史的地平
終章
あとがき
付録(図表、地図、系図)

主要参考文献一覧