「カール・シュミットとカトリシズム」既刊・関連作品一覧
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“政治神学”“友と敵”“決断”“例外状況”“代表”。本書は、カール・シュミットの政治思想の特質を、彼の諸著作の徹底的な検証や他のカトリック知識人との比較考察を通して明らかにしたものである。近代合理主義・個人主義をプロテスタンティズムの産物と見做し、カトリシズムの教会論や終末論に依拠して痛烈に批判しつつも、遂に世俗化の犠牲となり、超越の契機を失い、ナショナリズムそしてナチズムと妥協していくシュミットの思考のプロセスが、克明かつ鮮やかに描き出される。
【目次より】
序
第一章 初期シュミットの終末論
シュミットの歴史観 シュミットの人間観 シュミット教会論 シュミット国家論
第二章 ドノソ・コルテスの政治神学
ドノソ・コルテスの生涯 歴史観 人間観 教会論 政治神学 ドノソの政治思想
第三章 シュミットの政治神学の展開 カール・シュミットとドノソ・コルテス
シュミットのドノソ継承 独裁論 自由主義批判 カトリック自然法論とシュミット ドノソとシュミットの相違点
第四章 シュミットの教会論
ヴァイマール期におけるカトリシズムの教会論 シュミットの教会論 シュミットの教会論に対する賛美 シュミットの教会論に対する批判 代表原理の衰退
第五章 ドイツ・カトリシズムにおける二つの道 カール・シュミットとフーゴ・バル
表現主義をめぐるシュミットとバル カトリシズムをめぐるシュミットとバル ナショナリズムと国家主義をめぐるシュミットとバルの対立 バルの禁欲的カトリシズム シュミットのバル評価
第六章 カトリシズムと世俗化 カール・シュミットとヴァルデマール・グゥリアン
決断主義と反自由主義 「世俗化されたカトリシズム」批判 ファシズムに対する態度 第三帝国におけるグゥリアンのシュミット批判
第七章 シュミットと政治的カトリシズム カトリシズム・ナショナリズム・国家
保守的カトリシズム ナショナリズム 国家主義 シュミットと中央党との対立
第八章 カトリシズムとナチズム K・エッシュヴァイラー、H・バリオン、W・グゥリアンの選択
K・エッシュヴァイラー H・バリオン W・グゥリアン
第九章 二つの終末論 カール・シュミットとエーリック・ペーターゾン
E・ペーターゾンの生涯 シュミットとペーターゾンの思想的関係 ライヒ・イデオロギー ペーターゾンの政治神学批判 ペーターゾンの終末論の展開 政治神学をめぐるシュミットとペーターゾン
第十章 シュミットの反ユダヤ主義
シュミットの反ユダヤ主義の展開カトリシズムと反ユダヤ主義
おわりに
シュミットの生涯と著作
あとがき