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ベギン運動とブラバントの霊性

一二世紀の都市の勃興とともに都市には多くの女性が流入した。中でも現在ベルギーであるブラバントの諸都市には、手仕事や病人の看護などをしながら、相互扶助の敬虔な協同生活を営む女性信徒の一団が自然発生的に形成され、ベギン運動として展開していった。自由な生活形態を許す在俗の信徒集団である彼女らの運動は、異端視されることもあったが二〇世紀に至るまで存続した。本書はサン=ティエリのギヨームを源泉として、神の接触を求め霊的一致へと向かう霊性の系譜を、女性史をも視野に入れて考察した霊性史の先駆的試み。

【目次より】
凡例
目次
序言
第I部 サン=ティエリのギヨームの霊性
第一章 サン=ティエリのギヨームとその時代
一 ベルナールとの出会い
二 修道院の改革
三 方法をめぐる異議申し立て
第二章 サン=ティエリのギヨームの霊性
一 愛と理性
二 経験の学問
三 オリゲネスの発見
四 人との出会い 霊的一致
五 愛による知
第II部 ベギン運動とその霊性
第一章 ブラバントのベギン運動
一 研究史と初期のベギン運動
二 ベギンの語源
第二章 ワニーのマリと初期のベギン
一 『ワニーのマリ伝』とカタリ派
二 キリストの人性の信心
三 ベギンと教会
第三章 ハデウェイヒの霊性
一 生涯
二 作品
三 ハデウェイヒの霊性
第III部 ルースブルークの霊性
第一章 ルースブルークの生涯と作品
一 伝記史料
二 ブリュッセル時代
三 グルーネンダール時代
四 ジェルソンの批判
第二章 霊性の系譜 サン=ティエリのギヨーム・ハデウェイヒ・ルースブルーク
一 ルースブルークとサン=ティエリのギヨーム
二 ルースブルークとベギン
結論
あとがき

文献目録
略号表