「エゴイストの共存」既刊・関連作品一覧
- 電子のみ
あらゆる人間は、エゴイストである。では、エゴイストたちは如何にして社会的共同生活を成り立たしめることが出来るのか? 本書は、人間の本性という根源的レベルから出発し、功利性原理の立場から人間・倫理・政治の統一理論を構築しようとする、現代自由学芸の騎士による挑戦の書である。人間存在そのものの自己矛盾から生ずる、社会規範の最大の難問――「エゴイストは、そのエゴイズムのためにエゴイズムを抑制しなければならない」に挑み、明快な議論と大胆な推理によって幸福主義の新しい政治哲学を展開する。
【目次より】
まえがき
目次
第一章 心理的幸福主義の妥当性
序言
第一節 幸福の概念
(一) 思想史的省察
(二) 言語的事実
(三) 導出
第二節 心理的幸福主義
(一) 必然的帰結
(二) 弁証
(三) 心理的幸福主義者
第二章 政治の本質と人間
序言
第一節 政治の全体像
第二節 ホンネとタテマ工
第三節 政治と倫理
結語
第三章 超倫理的政治論の倫理性
序言
第一節 「全体の幸福」の二類型
(一) ラスコーリニコフの思想
(二) 善の分化
第二節 政治的アモラリズムの正当根拠
(一) 「日常倫理」と「非常倫理」
(二) マキアヴェリ
(三) ホッブズ
(四) 政治的アモラリズムの倫理性
第三節 「非常倫理」の問題性
第四章 集団的行為の倫理的パラドクス
序言
第一節 単に集団なるが故の倫理性
第二節 「倫理的パラドクス」の発生
第三節 二つの形態
第四節 「自我の拡大」との結合
第五節 人類にとっての意味
第五章 平和の政治倫理学
序言
第一節 従来の平和論の根本的欠陥
(一) 価値論の欠如
(二) 権力論の欠如
第二節 平和の理論的基礎
(一) 平和論の前提と課題
(二) 反戦行動の倫理的正当性
(三) 反戦行動の実践的可能性
第三節 平和の究極的制度
第四節 若干の参考意見
結語
註