「田舎のモーツァルト 詩集」既刊・関連作品一覧

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田舎のモーツァルト 詩集

詩人、随筆家、翻訳家、また、クラシック音楽への造詣も深い著者は、山や自然を描いた詩や散文の秀品を多く残した。
本書は、詩集である。

田舎のモーツァルト
中学の音楽室でピアノが鳴っている。
生徒たちは、男も女も
両手を膝に、目をすえて、
きらめくような、流れるような、
音の造形に聴き入っている
そとは秋晴れの安曇平、
青い常念と黄ばんだアカシア。
自然にも形成と傾聴のあるこの田舎で、
新任の若い女の先生が孜々として、
モーツァルトのみごとなロンドを弾いている。

【目次より】
冬の雅歌
不在
妻に
ハインリッヒ・シュッツ

霧と風の高原で
岩を研ぐ
春の葡萄山
モーツァルトの午後
出合い
歳月
田舎のモーツァルト
ひとりの山
七月の地誌
回顧
車窓のフーガ
高処の春
あかがり
復活祭の高原
山中取材
野の仏

或る石に刻むとて
湖畔の朝

和田峠
馬籠峠
上越線にて
受胎告知
春興
桃咲く春
高地牧場
故園の歌
十年後
朝の門前で
草津白根
予感
飼育場風景
後記