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日本近代科学史

伊能忠敬、杉田玄白、佐久間象山、北里柴三郎、長岡半太郎……。明治維新から昭和を経て、科学と技術の国となった日本。紆余曲折の歴史の中、果たして日本人は、西欧に生まれ育った“科学”を、本当に受け容れたのか? 西欧の思想は、日本をどのように変えたのか? 西欧科学という「踏み絵」を使って500年を考察した、壮大な比較科学思想史!
科学史研究の第一人者、村上陽一郎の初の単著『日本近代科学の歩み』(三省堂選書 1968年刊)を改題、文庫化。

[内容]
第1章 西欧の科学・技術
第2章 西欧科学接触以前の日本の「科学的」状況
第3章 キリシタン期の西欧科学技術との接触
     鉄砲の伝来/西欧科学体系の最初の伝来 
第4章 蘭学期における西欧科学の影響
     天文学/蘭学のもう一つの流れ
第5章 幕末期の西欧科学
     洋学への傾斜/開国前後の西欧科学・技術
第6章 明治期以後の日本と西欧科学
     国家に使われる科学/啓蒙期のエポック―生物進化論/ようやく自立に向かう明治科学界/国家の手で編成される産業界/その後の科学界の動き
第7章 日本文化と西欧科学
補 章

[本文より]
科学は近代西欧に生まれ、そして育った。西欧近代以外に、今日の科学を産んだ文化圏はほかになかった。このことは、絶対的な客観性、絶対的な普遍性を標榜しているはずの科学が、それを産み育てる思想的培地に、少なくとも間接的に依存していることを示す、一つの現実である。したがって、近代西欧と同じ思想培地をもたない日本に、科学が移入されたとき、それが、日本における基本的な思想構造とどのような関係を形造ったかという点が、本書の一つの関心事であった。