「フォッサマグナ 日本列島を分断する巨大地溝の正体」既刊・関連作品一覧

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フォッサマグナ 日本列島を分断する巨大地溝の正体

明治初期にナウマンが発見した、日本列島を真っ二つに分断する「巨大な割れ目」フォッサマグナ。その成因、構造などはいまだに謎に包まれていて、一般向けに書かれた解説書はなかなかつくられない。しかし、フォッサマグナを抜きにして、日本列島の地形は語れないのだ! ブルーバックスで人気を集める地学のエキスパートが挑む!


「こんな光景がこの世にあるのだろうか。こんな大きな構造は見たこともない」
明治維新後まもない日本の地質を調査中だったドイツの若き地質学者ナウマンは、
長野県の平沢で激しい嵐に見舞われた翌朝、眼下に広がる異様な地形に言葉を失った。
約1500万年前に生まれた「怪物」が、その存在を初めて世に知られた瞬間だった。
ナウマンは、それが世界に二つとない稀有な地形であることを確信し、こう命名した。
“Fossa Magna”(「巨大な地溝」の意)

誰もがその名を知っていても、それが何かはよく知られていない「フォッサマグナ」は、
この国の「背骨」のど真ん中を横断する、深さ6000m以上におよぶ巨大地溝である。
それは地質だけでなく、動植物の分布から文化に至るまで日本列島を東西に分断し、
日本と日本人にきわめて大きな影響を与えつづけている。フォッサマグナを抜きにして、
日本列島の将来は語れないのだ。
それにもかかわらず、ナウマンの発見以来、この地形は幾多の研究者の挑戦を拒みつづけ、
その成り立ちも、本当の境界線はどこにあるのかさえも、いまだに謎に包まれている。
確かなのは、世界を見渡しても、このような地形はほかに類がないということだけなのだ。
いったいフォッサマグナとは何か? 
「山」「海」「川」「石」を明快に解説した一連のブルーバックスが好評を博す地球科学の大家が、
それらの知見を総動員して、縦横無尽に「怪物」に斬り込む!

序 章 ナウマンの発見

第1章 フォッサマグナとは何か

第2章 地層から見たフォッサマグナ

第3章 海から見たフォッサマグナ――日本海の拡大

第4章 海から見たフォッサマグナ――フィリピン海の北上

第5章 世界にフォッサマグナはあるか

第6章 〈試論〉フォッサマグナはなぜできたのか

第7章 フォッサマグナは日本に何をしているのか

コラム「フォッサマグナに会える場所」
・糸魚川ジオパーク ・南アルプスジオパーク ・下仁田ジオパーク ・伊豆半島ジオパーク ・箱根ジオパーク 
・男鹿・大潟ジオパーク ・山陰海岸ジオパーク