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自民党本流と保守本流

近年の自民党の変質、安倍一強体制の背景には何があるのか?
政界きっての論客が、自民党結成の源流に遡り、
戦後を導いてきた自民党の正体に迫り、
日本政治を解剖した画期的論考!

自民党は、1955年の自由党と民主党の保守二党の合併により生まれた。
立役者は岸信介。岸が鳩山、石橋ら思想の違う指導者を「反吉田」で巻き込み、
民主党を結成、自由党との合併という大きな流れをまたたく間に作り出した。
その背景には米ソの冷戦激化に伴う米国の対日政策の大幅変更がある。
冷戦が反共の自民党結成を促し、岸を時代の主役に押し上げた。

岸の思想ー「自民党本流」の思想ーは結党来の自民党の綱領に色濃く反映されている。
しかしその後、多くの指導者を輩出し、戦後日本を主に導いてきた思想は、
岸の思想ではなく、石橋湛山、鳩山一郎、吉田茂らを源流とする「保守本流」だった。
60年安保後、所得倍増を掲げ経済成長を実現した池田勇人、
歴史的な日中国交回復を電撃的に果たした田中角栄を始め、
大平正芳、宮沢喜一、橋本龍太郎、小渕恵三・・・・・・・。
彼らも保守本流の思想に連なる人脈である。

1990年代の冷戦の終結は世界の構図を大きく変えた。
社会党の没落が象徴するように革新政党は後退し、
一方自民党も反共という歴史的使命を終えている。
では歴史的使命を終えている自民党に存続意義はあるのだろうか?

2000年以降、保守本流は有力な政治家の相次ぐ死、
「加藤の乱」の失敗などで指導者に恵まれなくなる。
代わって復活してきたのが、自民党本流の思想。
その典型が祖父の信念の実現を悲願とする安倍晋三政権の誕生である。

2017年の一瞬の「小池フィーバー」は、国民の保守本流への期待と、
それが実現されないことへの失望がはっきりと出た現象だった・・・・・・・。

政治の危機の本質とこれからの行く末を占う。