「ディップフラワーの教科書」既刊・関連作品一覧

ディップフラワーの教科書

樹脂液とワイヤーを用いて、ガラス細工のように繊細な花や蝶を作る「ディップフラワー」。型紙に合わせてワイヤーを成形し→ディップ液につけて乾燥させ→ストレンスナーを付けて乾燥するだけ。この手順で作品強度が増し、防水に!人気の「マニキュアフラワー」は壊れやすいのが難点でした。本書の小さい作品はマニキュア仕上げですが、透明(クリアー)なディップ液の上にマニキュアを塗っているので強度が格段に違います。


2011年パナソニック『ビエラ』のCMで滝川クリステルさんが身につけて多くの女性に注目された牡丹のかんざし。透明感があって繊細で、伝統技法を用いたガラス工芸作品なのでは? と想像されました。
しかし、その技法はワイヤーを指やペンチで形付け、ディップ液にくぐらせて膜を張った「ディップフラワー」と呼ばれるものでした。樹脂液なので割れない上に、補強液ストレンスナーでコーティングするため、ガラスのように割れる心配もありません。
こう聞くとなんて画期的! と思いますが、この技法、実は20~30年前に流行った「アメリカンフラワー」と同じものなのです。しかし、ブームが去って数十年経過したため、レシピ本はすでに絶版で入手困難。また、かつてはインテリアとして楽しむのが主流だったので地巻きワイヤーを使うのが基本でした。今回はアクセサリーとして使うのが目的なので、アーティスティックワイヤーでレシピ紹介しています。
現在人気の「マニキュアフラワー」も実はこの「ディップフラワー」技法を簡略化したもの。やってみた方ならお分かりかと思いますが、マニキュア塗装だけでは壊れやすく実はアクセサリーに不向き。また、大きな作品が作れないため、どれもこれも似た作風になるのが難点でした。これらの理論からマニキュアフラワーに飽き足らない方にもおすすめです。
本書の「ディップフラワー」作りの基本は、型紙に合わせてワイヤーを形付け→ディップ液にくぐらせて膜を張り→乾燥させ→仕上げに補強液ストレンスナーをつけ→乾燥させるだけ。
各作品はすべて手順写真つきで丁寧にご紹介しているので、初心者の方でも安心です。もう基本はわかっている! という方には、牡丹や睡蓮などの大作をご用意しています。本書は、初心者から上級者までが楽しんでチャレンジいただける親切な教科書になっています。
花を作るクラフト本は多々ありますが、UVレジンは市販の素材を固めるのが基本なので、オリジナリティが出しづらく、プラバンはオーブントースターで焼き縮めるので、厚みがどうしても出てしまいます。
ディップフラワーは数々ある技法のなかで、最も繊細で高級感ある作品が作れるところが魅力です。ぜひチャレンジなさってみてください。