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マーダーズ

救えるだろか。僕を殺人犯だと知っている君を。この街には複数の殺人者がいる。彼らが出会うとき、法では裁き得ない者たちへの断罪が始まる――。大藪賞作家が現代を舞台に描く、圧倒的犯罪小説!


デビュー2作目『リボルバー・リリー』でいきなり大藪賞受賞!
ミステリー界唯一無二の才能が放つ、圧倒的犯罪小説!

この街には複数の殺人者がいる。
彼らが出会うとき、法では裁き得ない者たちへの断罪が始まる――

ストーカに襲われる女性を助けた夜から、商社マン・阿久津清春の日常は狂い始める。
ブラウンの瞳と褐色の肌を持つその女、柚木玲美は言った「あなたが殺人犯だと知っています」。
十七歳の夏、清春は人を殺していた。誰にも知られず――。
意図的に清春に近づいた玲美は、その「事実」と引き換えに、母の死の真相と行方不明の姉の捜索を依頼する。
パートナーとなるのは、かつて実兄の殺害容疑をかけられた組対五課の刑事・則本敦子。彼女もまた、過去の事件の証拠を玲美に握られていた。
異様な関係で結ばれた三人の捜査は、いくつかの未解決事件を掘り起こし、やがて社会に潜む、起こしてはならない者たちを呼び寄せてしまう……。

この10年で日本全体の殺人認知件数は1万288。検挙率の平均は98%。単純計算で206人の殺人犯が捕まっていないことになる。
また、年間約17万人が死因不明の異状死として届けられるが、解剖に回されるのはわずか12%。
およそ15万の「異状死体」が、詳しく調べられないまま死因を特定されている。
イギリスでの解剖率は約40%、アメリカで約60%、北欧では90%を超えるところもあり、他の先進国と比べてこの数値は異様に低い。
つまり、この国では多くの「死」が見逃されている可能性がある――