「在日ヲロシヤ人の悲劇」既刊・関連作品一覧

在日ヲロシヤ人の悲劇

孤独ってのは何だかわかる?1人っていうことだけじゃない、歴史を忘れてしまうってことなんだよ。

日本を生きるという空疎。国家、政治、思想、世代、個人、さまざまな問題意識を重層的に取り込み展開される、新しい「家族小説」。

あんた、自分みたいな人間を再生産したい?こんな質の悪い孫コピーのさらにコピーを作りたい?孫コピーのコピー、さらにそのまたコピーって繰り返していくうちに、かすれてやがてただの白紙になるんだから。

NGO「ヲロシヤン・コネクション」の主宰者でハンガーストライキの果てに死んだ好美。夫の浮気が原因の離婚後に自殺してしまう、貴子。1人右翼を名乗り孤独に活動を続ける、純。妻・貴子を失い、娘・好美を亡くした父親、憲三。

過去と現在を縦横に繫ぎ、ヲロシヤ国、露連、アナメリカ、日本、架空の世界に描き出されたある家族の姿。世界、社会の問題をひとつの家族の中に描き出す、著者の新しい到達点ともいうべき傑作長編小説。