「手書き作家の本音」既刊・関連作品一覧

手書き作家の本音

ワープロより、鉛筆が好き。
作家の日常感覚を見事に伝える好エッセイ
「週刊現代・風のように」待望の最新版!

ときどききかれるのは、「原稿は、いつ書くのですか?」という質問である。この答えは簡単で、「締切りが迫ってきたとき」ということになる。
でも、締切りが迫れば、いつでも書けるというわけでもない。迫ってきても、書く内容がかたまらずに、苛々することも多い。
「さあ、どうしよう、どうしよう」焦りながら、その実、雑誌を読んだり、テレビを見たり、コーヒーを飲んで時間を空費している。
――このあたりが、ものを書く仕事の面白いところで、実際に書いているときより、書く内容を考えているときのほうがはるかに真剣で懸命である。――(おかしな仕事)