「今村仁司の社会哲学・入門 目覚めるために」既刊・関連作品一覧

今村仁司の社会哲学・入門 目覚めるために

暴力 労働・近代 儀礼・贈与 共同性 覚醒

社会の起源を求めて
人間存在の原基的あり方、社会形成の根本動学の見極めに乗り出した強靭な精神と頭脳。知の広大な領野を渉猟した不世出の思想家の体系に挑む

今村の仕事のスピードには誰も追いつけなかった。なかでも、講談社で企画した今村仁司編『現代思想を読む事典』(1988年)のときは、項目選択から項目執筆まで筆者も共同作業をさせてもらったが、あれほどの分量の事典が、あれほど短期間でできあがったことは、かつてなかったのではないだろうか。(略)誰かの原稿が遅れたり、入ってこなかったりすると、代わりに執筆していたのではなかったか(略)。若手や同年齢の研究者は、今村から頼まれながら依頼を断ると「出来ない奴だな」と思われると感じて断れないのである。(本書「序章」より)