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お面屋たまよし

面作師のもとで修行する太良と甘楽。面とはふつう、縁日で見かける、子どものおもちゃを差す。けれども、いにしえから続く面作師は、縁日で売りだす屋号とは別の、裏の屋号を持っているものなのだ。そして、裏の屋号では、妖面というものが売られているのだった。妖面は願いをかなえてくれる面。妖面のうわさは、不思議なことに必要とする者の耳にだけ、届くのだという――。人であるゆえの喜怒哀楽をえがいた戦国ファンタジー!


面作師のもとで修行する太良と甘楽。
ふたりは面を売って、全国を渡りあるいている。
面とはふつう、縁日で見かける、子どものおもちゃを差す。けれども、いにしえから続く面作師は、縁日で売りだす屋号とは別の、裏の屋号を持っているものなのだ。
そして、裏の屋号では、妖面というものが売られているのだった。
妖面は願いをかなえてくれる面。
妖面をつければ、姿かたちを変えて、自分のなりたい人間になることができる。
しかし、その代償は大きく、一歩間違えば、妖面に取りこまれてしまう。
太良と甘楽は、危険なものと知りながら、光と闇のあいだで、妖面を売り歩いていくのだった。そうして、喜怒哀楽、人ゆえの苦しみを持った人びとに出会っていく。