「〈玉砕〉の軍隊、〈生還〉の軍隊――日米兵士が見た太平洋戦争」既刊・関連作品一覧
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「降伏は名誉」とする米兵と、捕虜となることを恥、自決を名誉と考える日本兵。「バンザイ突撃」は、「9時から5時まで戦う」米兵の目には自殺行為にしか映らなかった。究極の文化衝突の場、戦場で両軍兵士は何を目にし、互いの認識をどう変えたのか――。日米元兵士への緻密なインタビュー調査を通して、「兵士」の誕生から戦地における彼らの思想と行動までを比較文化的観点から探究。「戦闘の社会学」が解明する、戦場の真実。
日米の元兵士へのインタビュー調査を通して比較文化的観点から考察する兵士の思想と行動
-究極の文化衝突-=戦場で日米の兵士は何を見たか
「降伏は名誉」の米兵。捕虜となることは不名誉、自決を名誉と考える日本兵。「バンザイ突撃」は「九時から五時まで戦う」米兵には自殺行為だった。そして、究極の文化衝突としての戦場で両者は互いの認識をどう変えたのか。両国の元兵士への緻密なインタビュー調査を通し、戦地の兵士の思想と行動を比較文化的観点から探究した戦闘の社会学、その成果。
たとえどのような文化的背景を持とうとも、兵士たちが戦闘を続けるかぎり、この差し迫った「死」の問題から逃れることはできない。両軍兵士は、戦場における「生と死の問題」をどのようにとらえ、この問題にいかに対処してきたのだろうか。そこには、なにか文化的な違いが見られるのだろうか。それとも、文化的な違いを超えた「人間としての兵士」の行動パターンにはなんらかの共通点がみいだされるのだろうか。これらの素朴な疑問が本書を貫く根源的な問題意識である。──本書「はしがき」より
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