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復元 安土城

カラー口絵8頁 図版満載
戦国の終焉と新時代の到来を告げる造形に、
天才信長はどんな夢を託したのか?

天正7(1579)年。琵琶湖畔、安土の山に峻峭な天主が完成する。黄金の瓦、黒漆の壁、朱の八角円堂。和様、唐様、南蛮風を統合した造形美が、新しい時代の到来を告げる。戦国の世の終焉と平安楽土の現出を託した天才・都市プランナー信長はどんな町作りを実現したのか? 広範な史資料の渉猟と発掘調査の結果をもって、日本初の近世都市の驚くべき全貌を明らかにする。

安土城天主は、軍事を第一機能とする旧来の常識からは遠く離れた存在であった。(略)理想郷志向の「城」の歴史相において、この安土城を「天下を正す」シンボルとなし、総見寺で天道思想にもとづく庶民信仰をおこす。くわえて「楽市・楽座」の施策をもって城下の繁栄を図り、なおかつ周辺には外濠をうがって外敵からの安全性を住民に保障し、その「正義」をより具体的に天下に顕示したわけである。――<本文より>

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