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風姿花伝

世阿弥元清が、亡父観阿弥の教えをもとにまとめた『風姿花伝』。「幽玄」「物学(物真似)」「花」など、能楽の神髄を語り、美を理論化した日本文化史における不朽の能楽書を、精緻な校訂を施した原文、詳細な語釈と平易な現代語訳、解釈を深めるための余説で読み解く。息子の観世元雅に幽玄能の奥義を伝えるべく書きつづった『花鏡』の翻刻を併録する。(講談社学術文庫)


秘すれば花なり、秘せずば花なるべからず
日本文化史に屹立する能楽の聖典、その神髄とは?
世阿弥能楽論の逸品『花鏡』の翻刻を併録

世阿弥元清が、亡父観阿弥の教えをもとにまとめた『風姿花伝』。「幽玄」「物学(物真似)」「花」など、能楽の神髄を語り、美を理論化した日本文化史における不朽の能楽書を、精緻な校訂を施した原文、詳細な語釈と平易な現代語訳、解釈を深めるための余説で読み解く。息子の観世元雅に幽玄能の奥義を伝えるべく書きつづった『花鏡』の翻刻を併録する。

「命にはをはりあり、能にははてあるべからず」と、信念を吐露した世阿弥の言葉はいつわりではなかった。「初心をわすれずして、初心を重代すべし」という、この道に果てあらしめぬための秘伝は、ひとり能楽においてのみならず、人間のなす業を不朽のものとするためにはこれまたゆるがぬ箴言となっている。――<本書「はしがき」より抜粋>

※本書の原本は、1969年、桜楓社より刊行されました。