「諸葛孔明――「三国志」とその時代」既刊・関連作品一覧
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歴史学から見た三国志。
敗けても敗けてもまた戦争。なのに、なぜ、彼は愛されたのか。
連戦連敗の将として死んだ諸葛亮。無謀な北伐を繰り返しながら後に義の人として絶大な人気を博した「三国志」の英傑。その思想と行動を中国史研究の先駆者が幾多の文献を用いて描き出す。なぜ彼が後世、称賛されるに至ったのか。その評価はどのように変遷したのか。一九四〇年の初版以来、改訂を重ねて読み継がれてきた「三国志」研究の重要古典。
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――孔明の遺文にはそうした当世風なところがない。しかし時世の流れにおくれていたように見えた孔明が八百年後、その忠厚質実の人格と文章とにより朱子はじめ宋儒に賞讃され、醇儒の気象ありとされ、かつ儒教の教養によってのみ軍政を統べうるという理想にかなった人として崇敬の的となったのである。(中略)宋以前でも南朝のように中原を夷狄に奪われても、彼らの征服国家は正統ではないと主張する立場から劉備や孔明への好意的評価が生じた。――<本書「あとがき」より>
※本書の原本は1940年、冨山房より「支那歴史地理叢書」第八『諸葛孔明』として刊行され、1966年には桃源社より本書と同名の改訂版が刊行されました。文庫化にあたっては1984年、光風社出版より刊行された同名書を底本としました。
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