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司法殺人 元裁判官が問う歪んだ死刑判決

元裁判官が「死刑」判決の歪みを掘り下げる! 猟奇殺人、強盗殺人、両親殺し。この3事件に典型的に現れた、冤罪もしくは「逆冤罪」の実相とは。死刑判決の核心に迫る、法律ノンフィクション!


職業裁判官は、冤罪で無実の市民を死刑にしている。

第一発見者に死刑を宣告し、公判でその論拠が覆っても維持される。
被告人が冤罪を主張したがために、かえって懲罰的に死刑が宣告される。
冤罪を主張し無罪を勝ち取ったはずの冤罪者が、後に猟奇殺人事件を犯す。
――下された判決に、見過ごせない過ちがあったのではないか?

元裁判官が死刑事件の真相を追い、潜む病巣を抉る。


これまで職業裁判官は、無理に無理を重ねて裁判をしてきました。無罪を無理やり有罪にしてきたとは言いません。ただ、無罪か有罪か、白黒をはっきりつけがたい場合にも、無理をしてどちらかに見切ってきたということです。
ほとんどすべての刑事裁判官は、どちらか本当はわからないという場合でも、裁判官の名と誇りにかけて真相を見切ろうとしてきたはずです。それが日本の裁判官の、いわば裁判官魂だったはずです。
本書は、これまでの職業裁判官による日本の司法が、無理に無理を重ねた結果、どのようなことになっているか、その歪んだ姿を有りのままに伝えるノンフィクションです。
さあ、今から、ベールに覆われた裁判の扉の幕があがり、その先に目もくらむ血の修辞学に彩られた暗黒のラインが現れます。その恐るべきラインを戦慄の暗い振動に震えながら一緒にゆきましょう。
それは、私たちが「正義」という別名で呼んでいるものであり、そこをゆくことは、正義の聖域をゆくことにほかならないのですから。
(「はじめに」より)