「今度こそわかるファインマン経路積分」既刊・関連作品一覧
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天才ファインマンが作り上げた「経路積分」により、量子論は飛躍的に進展した。この画期的手法を、物理的意味を重視してやさしく解説する。従来のどの本を読んでもわからなかった読者の再入門に最適の書。
〈本書「序文」より〉
量子力学の基本方程式は通常、シュレーディンガー方程式という微分方程式であるとされる。経路積分は、それを積分方程式として書き直したものである。通常の量子力学では古典力学から出発し、それを量子化するという数学的手順でシュレーディンガー方程式を得る。そして本によってはそれから、経路積分の式を導く。教育的見地からは最終的に量子力学を理解できればいいのだから、基本方程式の導入の手順がどうであっても悪いわけではない。しかし自然法則の中での地位から考えれば、先に量子力学があり、古典力学はその近似理論として導かれるべきものである。だとすれば、量子力学(あるいは場の量子論)はどこからもってくればいいだろうか。それを、2スリット実験の分析から想像される量子力学的粒子像を出発点にしようというのが、本書第1章の話である。そのような議論をすると、シュレーディンガー方程式より先に経路積分の発想が自然に出てくる。
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