「奇蹟の画家」既刊・関連作品一覧
ノンフィクション作家・後藤正治が「小さな物語を書きたい」と感じた一枚の絵との出会い。その絵は、49歳まで完全に無名だった孤高の画家・石井一男によるものだった。口下手で穏やかな石井と、神戸のギャラリー海文堂の島田との出会い。生きる証として素直に、無心に描き続けた絵。その無名の作家の作品に、多くの人々が救われていくさま。「豊かさ」の本来の意味を教えてくれる、温かい珠玉のノンフィクション。
ノンフィクション作家・後藤正治が「小さな物語を書きたい」と感じた一枚の絵との出会い。その絵は、49歳まで完全に無名だった孤高の画家・石井一男によるものだった。
飲食店や新聞運びなどの仕事をして穏やかに生活をしていた石井が、突如喜びとともに絵を描くようになったのは46歳のとき。以降淡々と好きな絵を描き続けてきた。口下手で穏やかな石井と、神戸のギャラリー海文堂の島田との出会い。画家になりたいと思ったのではない、生きる証として素直に、無心に描き続けた絵。その無名の作家の作品に、多くの人々が救われていくさま。石井や周囲の人々を通し、多くの人の心をとらえて離さない作品と画家の魅力、そして「豊かさ」の本来の意味を教えてくれる、温かくも珠玉のノンフィクション。
「ノンフィクションとは、対象を解きほぐしたいという渇望に導かれてあるものであるが、本書の場合、そのベクトルは少し違っていた。解くのではなく、より深く感受したいといういという希求であったように思える」あとがきで著者自らが書いたように、多くの人に「感受してほしい」作品がここにある。