「頑固論 石川遼 自分を信じる力」既刊・関連作品一覧
「世界標準の日本人」に育てるには?
石川遼以上に石川遼選手を知る著者が見続けてきたミラクル成長の秘密!
スーパーショット連発の石川遼ミラクル劇場はすっかりお馴染みになりました。昨シーズンは初のマスターズ出場も話題となりましたが、今シーズンのマスターズは予選敗退となり、その後の日本での開幕戦でも予選落ち。しかし、これらの結果を受けたコメントは、逆に底知れない凄みを感じさせました。
「この3、4試合の成績を求めるか、何十年先のゴルフの上達を求めるかの違い」
普通なら、どうしようかと頭を抱え込む成績なのに、遼君はブレません。そのすぐ翌月の「中日クラウンズ」では、ワンラウンド58の世界最少スコアでの優勝という、とてつもない記録を打ち立てたのです。信念に忠実というのを超えて、これはもうかなりの頑固者ではないか。頑固だから今の成長があるのではないか。だったらそれを人の教育に生かそう。遼君のように世界の大舞台に出ても物怖じしない、「世界標準の日本人」に育てるヒントにしよう。日本ゴルフツアー機構の副会長として遼君の海外遠征を支えると共に、大学改革に取り組んで若者教育に邁進してきた諸星裕さんにしか書けない本です。
「いまどきのすぐキレる若者や、まったく自分本位な物言いしかできない「お子様」たちと、石川遼は明らかに一線を画している。遼君の態度、物腰、物言いは、どこで培われたものなのか。石川家の教育、しつけのよさがその要因として真っ先にあげられるものだろうが、それだけでなく、彼が小学生のころから取り組んだゴルフというスポーツ自体が彼を育んだことがかなり大きいのではないかと思っている。もっと正確にいうと、日本的な「求道」でもあるスポーツとしてのゴルフだ。本当に自分が信じること、それだけをやっていけば、少なくともコースには負けないぞ。そういう頑固さが石川遼にはある。その上で自分を上回るスコアの人間がいれば、それはそれでかまわない、と思っているのではないだろうか。器用な人間のように、あれこれと対応して、信じるものを曲げたらだめになってしまう。そういうタイプなのだろう。仕事への向かい方、勉強するときへの態度にも通じるものだと思う」――本文より構成