「相手に「伝わる」話し方」既刊・関連作品一覧
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書き言葉は、「読む文章」です。「話す文章」は、本来まったく異なるもののはずです。いわば「文章の生理」の違いのようなものだと私は思います。「書く文章」をそのまま読み上げても、聞き手を感動させることはありません。聞き手の心に届くような話し方をしたければ、「書いた文章」を読み上げるのではなく、「自分の言葉」で語りかけなければならないのです。(本文より)
面接、プレゼン、祝辞、発表……
あなたは「自分の言葉」で話せますか?
聞く人の心に届くように話すとはどういうことか。
報道記者やキャスターとして放送の現場で得た、池上流「自分の言葉」を話す方法論。
●やさしく伝えることはむずかしい
●「共通体験」があると話しやすい
●ケンカだってチャンス
●原稿を書くな、メモを用意しろ
●聞く人の知りたい順に話す
●「つかみ」を使うを聞いてもらえる
●わかりやすく説明するための5箇条
●謝ることはむずかしい
●まずは「ひとりブレーンストーミング」
●緊張するとできることもある
現場に出て考えた――書き言葉は、「読む文章」です。「話す文章」は、本来まったく異なるもののはずです。いわば「文章の生理」の違いのようなものだと私は思います。
「書く文章」をそのまま読み上げても、聞き手を感動させることはありません。聞き手の心に届くような話し方をしたければ、「書いた文章」を読み上げるのではなく、「自分の言葉」で語りかけなければならないのです。
「読む文章」は、目が活字を追っていきます。もし途中で論旨がわからなくなったら、少し前に戻ればいいのです。しかし「話す文章」は、言葉が空中に発せられた途端に消えてしまいます。
しゃべる場合、活字の表現とは異なる順序で論旨を組み立てなければならないのです。どんなときも、まず「相手は何を一番に知りたいのかな。次は何かな」と話す内容に優先順位をつけながら、話す内容を組み立てていくのです。――(本書より)