空港も鉄道もない、ラオスの奥地の辺鄙な村。そこに佇む瀟洒なホテルのような施設に、世界中から選ばれた者たちが訪れる。コクーン・ルームで記憶の奥深くにアクセスし、その人に最も必要なものを見せてくれる<トリートメント>という施術を受けるために。心に深く傷を負った私は、レモネードという名前を与えられ、客室係の仕事をはじめるが……。表題作「うつくしい繭」をはじめ、愉悦に満ちた文章が、あなたを魂の旅に誘う。
東ティモール、死者の<声>を聞く少女アニータ。ラオスの山奥、親友と婚約者に裏切られたレモネード。インド、兄のためにガンの特効薬を探しに来た中瀬。日本、南西諸島出身のみほ子の実家で不思議なガラス玉を見つけたミサキ。四人の女性が、自らの五感を全開にするとき、世界はつながる。
◆メディア、評論家から絶賛の嵐!◆
日経新聞「目利きが選ぶ3冊」北上次郎氏(2019年1月7日)
女性の魂の遍歴を美しく
https://r.nikkei.com/article/DGKKZO40102200X10C19A1BE0P00?s=3
朝日新聞「好書好日」(2019年1月28日)
「声高には語られないけれど、美しく生きてたり、大変な思いをして生きてたりする人の物語を書いていきたい」
https://book.asahi.com/article/12089861
毎日新聞 文芸時評「私のおすすめ」倉本さおり氏(2019年1月30日)
「言葉の力のみずみずしさが官能的に光る」
https://mainichi.jp/articles/20190130/dde/014/070/004000c
NEWSポストセブン「BOOK STAND」碇本学氏(2019年1月30日)
「多層な現実、過去、未来、幻想、自然、時間、空間、次元のイメージを読者に喚起させ想像させることができる小説家だと思う」
https://www.news-postseven.com/archives/20190118_850492.html
本の雑誌「新刊めったくたガイド」大森望氏(2019年2月号)
★★★★「プリースト《夢幻諸島》連作を思わせるエキゾチシズムと身体性の融合が特徴」
週刊金曜日「きんようぶんか」長瀬海氏(2019年3月15日号)
「アジアの幻想的な風景が、新人小説家とは思えない巧みな筆致で、そこに描かれている」
小説推理「今月のベスト・ブック」森下一仁氏
「かすかに甘い炭酸水をごくごくと飲み干すような快感があります」
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