半島へ

文芸(単行本)
ハントウヘ
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半島へ
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内容紹介

その春、「私」は半島に来た。
森と海のそば、美しい「休暇」を過ごすつもりで――。たったひとりで、もう一度、人生を始めるために――。
川端賞受賞の名作「海松(みる)」を超えた、究極の「半島小説」

顔を上げると、樹間で朝を待つものたちの気配がした。たぶんメジロやウグイス。どこに巣があるのかわからないが、葉擦れや枝のこすれとは違う音がする。寝覚めの脳に届いたのは身じろぎする鳥たちの気配だったのかもしれない。やがて、森のあちこちに青みを帯びた筋が差しこむ。樹間に広がる光の筋は、やがて明るい金色を帯びていった。途端に森の奥から、鳥の声がにぎやかに聞えてきた。なかに「リッカ、リッカ、ピイィ」と鳴く鳥がいる。そういえば、今日は立夏。東京から半島にきて、もう一ヵ月がたっていた。――<本文より>

第47回谷崎潤一郎賞受賞作

製品情報

製品名 半島へ
著者名 著:稲葉 真弓
発売日 2011年05月27日
価格 定価 : 本体1,600円(税別)
ISBN 978-4-06-216977-6
判型 四六
ページ数 226ページ

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