評論家 遠藤周作の軌跡!
自らの意志でなく受洗し苦悩した作家は、いかにして日本人と西洋の「神」の問題をとらえ、受け止めていったのか?
彼の諸宗教に対するコムプリヘンシブ(包括的)なその理解は、日本という宗教的にも思想的にもシンクレティズム(混合主義)を避けられない歴史風土において、セム族に由来する一神教(キリスト教)を全身全霊を以って受け止めたからこそできたものであったろう。本書をあえて「宗教篇」としたのも、遠藤周作のこの宗教への真の理解(コムプリヘンション)の長い苦闘をあらためて現在の問題としてみたいからに他ならない。――<解説より>
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