名もしれずみちの辺に咲く野の花は 日本の四季のうつろいをひそやかに愛しいほど可憐に香り豊かに告げる
なつかしさと詩情にあふれた画文集
「路傍に花がないわけではない。足が地に着いているなら、花をもとめる目の見のがすはずのない花が、道ばたには咲いている。たとえば、イヌフグリのようなまことに雑草にすぎぬ草に、可憐なうす紫の花があり、エノコログサ、ヌカカゼグサのようなイネ科の雑草が風媒花を細い穂先につらねている……」野辺に路傍に、ひっそりと咲く可憐な花々をいとおしみ、美しい絵と文でつづった、心にしみる野の花づくし
+ もっとみる