隠れ里、台里の秘儀。甲府勤番支配の山根伯耆守江戸屋敷と甲斐を結ぶ面妖な青日明神祠の点と線。絵馬に記された謎の符諜――。甲斐武田氏の隠された金脈をめぐる欲望が、人々を陰謀と殺戮(さつりく)へとみちびいたのか。栄吾の死をうたがう銀之介の目前で手がかりの糸はもつれ切断されて迷宮の深底へひきずりこむ。