バルト、ラカン、デリダ、ボードリヤールなどのフランスの思想家を中心に、構造主義から記号論への展開を考察。また、20世紀の消費社会がもたらした映画、写真、デザインなどの大衆文化をも記号論の視点で解読する。著者は様々な記号と思考がからみ合う生態学的な状況において、記号論を形式的な分析装置にはとどめない。現代思想全体への鋭い批評精神を持つ記号論の豊かな可能性を説く意欲作。