再発見 日本の哲学 埴谷雄高――夢みるカント

講談社学術文庫
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  • 電子あり
再発見 日本の哲学 埴谷雄高――夢みるカント
自分メモ
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内容紹介

埴谷雄高は、『死霊』という難解なことで有名な小説の作者として知られています。一方で、『死霊』は、みごとな情景描写もちりばめられた、きわめて魅力的な小説でもあります。
埴谷の有名な言葉に「自同律の不快」があります。埴谷の哲学を象徴する言葉と言っていいでしょう。
では、これは、いったいどういう意味なのか。そして、小説の形で表現された、埴谷の哲学とは、どのようなものなのか。
伝記的な事実を持ち出せば、戦前の日本共産党の非合法活動に参加し、逮捕されたあと、未決囚の独房の中で、天野貞祐訳、カント『純粋理性批判』と出会います。そこから、埴谷は、終生、哲学的思索を続けるわけです。
本書は、自身、カント『純粋理性批判』をはじめとするいわゆる「三批判書」のきわめて優れた翻訳を世に問うた哲学者による、渾身の埴谷雄高論です。
『死霊』によりそいながら、「私はほんとうに私なのか」という埴谷の「存在の哲学」を読み解き、戦後日本を代表する哲学的思索の全貌を、端正な文体で明らかにする力作です。

目次

  • 序章 存在の不快 ―《霧》―
  •   一 途絶
  •   二 情死
  •   三 泣き声
  • 第一章 宇宙的気配 ―《夜》―
  •   一 原型
  •   二 感覚
  •   三 背景
  •   四 虚体(一)
  • 第二章 叛逆と逸脱 ―《闇》―
  •   一 経験
  •   二 一匹狼
  •   三 叛逆型
  •   四 逸脱  
  •   五 臨死
  • 第三章 存在と倫理 ―《夢》―
  •   一 死者
  •   二 存在
  •   三 根源悪
  •   四 深淵
  •   五 希望
  •   六 虚体(二)

製品情報

製品名 再発見 日本の哲学 埴谷雄高――夢みるカント
著者名 著:熊野 純彦
発売日 2015年10月09日
価格 定価 : 本体1,080円(税別)
ISBN 978-4-06-292312-5
判型 A6
ページ数 344ページ
電子版製品名 再発見 日本の哲学 埴谷雄高 夢みるカント
シリーズ 講談社学術文庫
初出 本書の原本は、菅野覚明・熊野純彦責任編集「再発見 日本の哲学」の一冊として、2010年、小社より刊行されました。

著者紹介

著:熊野 純彦(クマノ スミヒコ)

1958年生まれ。東京大学人文科学研究科博士課程修了。現在、東京大学教授。専攻は、哲学、倫理学。主な著書に、『レヴィナス』(岩波書店)、『西洋哲学史』(岩波新書)、『ヘーゲル』(筑摩書房)、『マルクス資本論の思考』(せりか書房)など。また、訳書にカント『純粋理性批判』『実践理性批判』『判断力批判』(作品社)、ハイデガー『存在と時間』(岩波文庫)などがある。

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