「きみは私には逆らえない」ベル・ローズは絵画の真贋を見抜く瞳を持ちながらも、忌まわしい事件をきっかけに絵筆を握れなくなっていた。ある夜、謎めいた美術館長ユアン・ギャレットに出会い強引に唇を奪われ、再び描くことを迫られる。尊大な態度のユアンに戸惑いながらも、逞しい腕に抱かれ、彼の右手を絡められると。キスを重ね合い、秘密だらけの関係が始まってゆく……。
身分を隠しロンドンの老舗美術館で働くベルには“秘密”がある。その秘密を隠しながら、ある日ベルは幼い頃から入れ込んでいたカラヴァッジョ『洗礼者ヨハネ』を鑑賞するべく美術館特別室に足を踏み入れた。しかし、そこにあったのは「贋作」で――。ベルが真と贋を見抜く不思議な力を持つことを見ぬいた富豪であり美術館館長のユアンは、より精密な贋作を製作することをベルに約束させる。過去のトラウマから絵筆を取れないでいたベルだが、とあるきっかけから、自身の背後からユアンの右手を借りれば絵を描くことができると知り……。光と影がキャンバスを埋めるように、ベルとユアンの関係も鮮やかに深まっていく。一方同じころ、ロンドン市内では絵画を巡る陰謀が動いていた。絵筆と心を重ねる、アート・ラブロマンスミステリー!
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