クリスマスの翌日の12月26日に生まれてしまった《遅れてきたキリスト》のぼくは29歳、ニューヨークで電信会社の雇用主任の職につく。ぼくは《卵巣の市電》という固定観念にとりつかれ、人間実存の根源を探るべく混沌とした性の世界を彷徨する。“20世紀最大の危険な巨人”と呼ばれたミラーが1939年パリで刊行した自伝的作品。