舞台は平安京――羅城門へ向かう牛車の前を歩くのは、まだ子どもの陰陽師・安倍晴明。そこへなにやらあやしい雲が近づいてくる。雲のなかからやってきたのは鬼のむれ、百鬼夜行だった。「ひとは おらぬか おっぺけぽー。いたら くっちゃえ くっぺけぽー」。どうしよう、このままではみんな鬼に食われてしまう。「しっ」。晴明は呪(しゅ)を唱えて結界をはり……。
1951年1月1日、神奈川県生まれ。東海大学文学部日本文学科卒。1977年に作家デビュー。以後、「キマイラ」「サイコダイバー」:「闇狩り師」「餓狼伝」「陰陽師」などの数々の人気シリーズ作品を発表してきた。1989年『上弦の月を喰べる獅子』で日本SF大賞、1998年『神々の山嶺』で柴田錬三郎賞を、それぞれ受賞。2011年、2012年『大江戸釣客伝』が吉川英治文学賞、泉鏡花文学賞、舟橋聖一文学賞を受賞し話題となる。
1959年、東京都生まれ。出版社勤務ののち、絵本を描きはじめる。おもな作品に『ジローとぼく』(偕成社)、『たなかさんちのおひっこし』(あかね書房、『わらっちゃった』(小学館)、『ぼくもだっこ』(西條剛央/作)『最後のおさんぽ』(ともに、講談社)、『寓話 洞熊学校を卒業した三人』(宮沢賢治)/作 三木商行)、『母恋いくらげ』(柳家喬太郎/原作)『孝行手首』(ともに、理論社)などがある。