継母に幽閉されていた蔵から救い出された清水与一郎(しみず・よいちろう)は、帝都(ていと)の盗人を取り仕切る“水燕”(すいえん)の屋敷で育った。しかし紆余曲折(うよきょくせつ)ののちに、落ち延びるようにして屋敷を去ったのは、一年半前のこと。 与一郎がある日、老婆を助けたのを機に、葬り去ったはずの人間関係がふたたび甦る。水燕のあらたな頭領となった藤吉(とうきち)との再会。ふたりの愛憎はどこへ向かうのか――。匂い立つ大正浪漫、大好評第二弾!
花の棲処に
暁闇に咲う