江南のクワン王子に請われて、一年ぶりに隣国を訪問した落ちこぼれの巫女・ソニン。しかし、到着するやいなや、〈楽園〉と名高い南国を、大嵐が襲う。多くの家屋が倒壊し、農作物の収穫も絶望視され、意気消沈する国民の姿に、ソニンは心を痛める。沙維のイウォル王子は、江南の被害の状況を把握するべく馬を走らせる。一方、かつて江南と戦を繰り広げた北の大国・巨山は、江南に無償で食料と薬を提供したいと申し出るのだが……。三国の思惑が交差するなか、若き王子と王女の駆け引きが始まる!
1969年福島県南相馬市生まれ。2002年「橋の上の少年」で第36回北日本文学賞を受賞。2005年「ソニンと燕になった王子」で第46回講談社児童文学新人賞を受賞。本作はそれを改題加筆したもの。他の著作に『羽州ものがたり』(角川書店)、『女王さまがおまちかね』(ポプラ社)がある。ペンネームは子どものころ好きだった、雪を呼ぶといわれる初冬に飛ぶ虫の名からつける。
天山の巫女ソニン~落ちこぼれの巫女が王宮に入って国を救った上に王子たちに愛されてます~
天山の巫女ソニン 江南外伝 海竜の子
天山の巫女ソニン 巨山外伝 予言の娘