【内容紹介】
「天才ミロのマジックショー」がはじまりました。
でも、天才どころか、ミロは何のマジックをやってもヘマばかり。ついには支配人のポポビッチさんに「ぼうしから、ウサギをだせなかったらクビだ」と宣言されてしまいます。
うさぎを買うお金のないミロは、公園でウサギを釣ろうとしますが、釣れたのは、なんとクマ。ところが、このクマ、ウサギのかわりに帽子の中に飛びこんだり、出てきたりできるというのです。これならショーは大成功のはずですが……。
【読み聞かせ:5歳 ひとり読み:6歳から小学校低学年】
【訳/石崎洋司さんからのメッセージ】
原書を一読したあと、口をついて出た言葉。 「あっ、なるほどね縲怐B」 二度目に読んだあと、口をついて出た言葉。 「うーん、やっぱり、なるほどね縲怐B」 いや、そのあとなんど読んでも、同じような言葉が口をついてしまう。これって、すごいことだなって思います。絵本に限らず、オチが効いているお話って、二度目以降はおもしろさが減ってしまうもの。でも、これはちがう。 その理由はたぶん二つ。 ひとつは、「世界」がしっかりしているからでしょうね。ポップでオフビートで、それでいてペーソスがあって。ああ、アメリカだなぁっていうテイストがいい! もうひとつは、アメリカっぽいくせに、落語的なおもしろさがあることでしょうか。語り口はちがうんですが、ノリが落語っぽいんです。そのあたりには、気を遣って訳してみましたので、お楽しみくださいね。 個人的には、クマの表情が一押し! とぼけた顔、不安そうな顔、疲れた顔……ちょっと胸がしめつけられたりします。 だれにも描けそうでいながら、一筋縄ではいかない画力を感じさせる絵。あのモーリス・センダックが激賞というのも納得です!
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