注目の哲学者4人による本気のコラボレーション!!!
永井均、入不二基義、上野修、青山拓央
<私>は他の多くの「私」とは違う、唯一無二の独在的な<私>である。――多くの人々を魅了してきた永井均氏の哲学は、では、どのような問題であり、そしてどのような哲学的可能性やひろがりを持っているのか? スリリングに思考する!
世界にこんなにたくさんの人がいる(し、これまでもいたし、これからもいるであろう)のに、なぜこの人が私なのか? これが私の最初の問題であった。このことは私にはたいへん不思議なことに思われた。しかし、この言い方は正確ではないようだ。この言い方だと、たくさんの人の中からある特定の人が選ばれていることの不思議さが、つまりその偶然性(確率の低さという意味での)が問題にされているように理解する人がいるらしいからだ。もちろん、私はそんな理解のしかたがあろうとは夢にも思わなかった。私を捉えたのは確率の問題ではなく存在の問題であった。私は、そもそも私という(他の人間とはまったく違う在り方をした)きわめて特殊な人間が、より正確にいえば、私という(他のものとはまったく違う在り方をした)きわめて特殊なものが、存在することに驚いたのである。――<序章 永井均「問題の基本構造の解説」より>
+ もっとみる