戦争放棄の思想についてなど
「8月6日の夜は、焼け落ちた自宅から辛うじて逃げた母とともに野宿をして、翌日早くから父を捜すために広島の市街地の焼け跡をひとりで歩き回りました……。それは、見渡す限りの焼け跡を、見るも無慚な死者たちの悲惨な顔つきをつぎつぎに覗き込んで父の死骸を探す仕事だったのです……」。厳しい原爆体験を踏まえた戦争放棄の論理など、おりにふれ書き綴られた小論12篇。
【目次より】
はしがき
《年ごとの文章》七十代
時の問題「巡査の結婚」を書いたころ 法社会学への出発
幸運だった民法典 「木二竹ヲ継イダヤウニ」なると穂積陳重が案じた一幕も
来栖先生の思い出 『モダン・タイムス』のこと
人間は出生と同時にすべて人格権の享有主体となる「私権ノ享有ハ出生二始マル」という条文の意味について
商法修正案づくりと梅謙次郎の胸の内 法典調査会一八九三~九八年
十二年を振り返る とくに”民法の体系“のこと 創価大学での最終講義
唄さんのこと 一九五四年の家制度復活論にまつわる思い出など
樋口君の報告「人間の尊厳VS人権?」について 報告に先立ち研究会の主宰者から(挨拶)
綻びた日本民法典の体系と民法学の対処 「新版民法綱要」第一巻総論の刊行ヘ
戦争放棄の思想について 憲法九条を考える視点 主として研究者を念頭に置いた公開講演
《追補》二編
I 祖川先生の思い出
【参考】論説「科学者京都会議の政策的提言に対する疑問」(一九八一年)
II 私のヒロシマ体験
【参考】小説「炎の日」(一九五〇年)の一部削除とその復元に関する資料
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