キリスト教における殉教研究
16~17世紀、世界を震撼させた日本殉教者たち。彼らを導いた殉教録や殉教者伝などの文書成立過程、そして中世から近世に及ぶ殉教者崇拝の発展過程を追跡することで、キリスト教誕生から密接不可分な殉教の思想構造の歴史的解明を試みる。日本キリシタン、古代キリスト教、そして宗教改革後の西欧近世敬虔思想のつながりをたぐりながら、殉教の本質を追究した神学思想史の労作。
【目次より】
序論
第I部 殉教とは何か
第一章 通俗概念の混乱とその使用範囲の広がり
第二章 日本キリシタンにおける殉教問題
第II部 殉教録・殉教者行伝の成立と殉教者崇拝
第一章 古代教会における殉教者崇拝文書の成立とその宗教的役割
第二章 古代教会典礼の視点から見た殉教者崇拝
第III部 古代教会に出現した迫害・殉教の研究とその史観
第一章 古代キリスト教殉教研究のあらたな検討課題
第二章 倫理行為としての殉教史観
第三章 古代キリスト教社会における女性殉教者と教会指導者たち
第四章 古代教会における殉教希求の分析
第IV部 古代教会における「棄教論」の再考察
第一章 キプリアヌスの『棄教論』に関する歴史的課題
第二章 『棄教論』の執筆背景
第三章 『棄教論』の内容分析
第V部 アンティオキアのイグナティオスにおける殉教思想
第一章 イグナティオスの殉教
第二章 イグナティオスにおける殉教思想の分析とその検証
第三章 イグナティオスの殉教思想研究における史的展開と課題分析
付録
原典訳一 キプリアヌス『棄教論(棄教者について)』
原典訳二 テルトリアヌス『殉教者たちへ』
あとがき
書店によって取り扱いがない場合もございますので、あらかじめご了承ください。電子書籍での価格は紙の本と異なる場合がありますので、詳しくは各電子書店でご覧ください。