唐代の思想と文化(東洋学叢書)
唐代は伝統的儒家思想が衰え、仏教と道教が知識人の思想の中に浸透していき、従来の思想史=経学史という枠組みでは、捉え切れない時代である。著者はその枠組みを見直し、資料の枠を拡大して、自伝や遺言など個人の自己表白や人間関係を通してその時代の精神風土を明らかにする。新しい視点と、墓誌銘や僧伝など思想史研究では見落とされていた新しい資料を駆使して、唐代知識人の文化的側面に総合的な光を当てることにより、唐の思想と文化を全体的に解明した問題作。
【目次より】
序
第一部 劉知幾と『史通』
第一章 劉知幾の歴史意識
第二章 劉知幾 史評者の立場
第三章 宋代における『史通』
第二部 中唐の思想
第一章 権徳輿とその周辺
第二章 『陸文学自伝』考
第三章 劉禹錫の思想
第三部 習俗
第一章 唐代の葬俗 特に葬法について
第二章 『千唐誌斎蔵誌』に見える唐代の習俗
第三章 舎利信仰と僧伝『禅林僧宝伝』の理解のために
第四部 遺言
第一章 古代中国の遺言 その形式面よりの概観
第二章 韓愈の遺言をめぐって
あとがき
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