悲の現象論序説 日本哲学の六テーゼより
西田幾太郎に始まる日本哲学を、現代哲学のコンテクストのもとで、局処世界、ノエシス的超越、種のアフォーダンスなど六つのテーゼに集約し、新たな第七の「悲のテーゼ」を導き出す。
【目次より】
緒論 「悲の現象論」の構想
一 問題概念としての「日本哲学」
二 「悲の現象論」の予備概念
1 「局処世界」テーゼ 西田哲学あるいは「場所」と論理
一 第一テーゼとその意味
二 ゲーテの詩より
三 西田のハイデッガー批判
四 ザインのトポロギー
五 局処世界
2 「ノエシス的超越」テーゼ 続・西田哲学あるいは「行為的直観」と現象学
一 第二テーゼとその意味
二 自我の反省可能性 フッサールとの対峙
三 「無の場所」の現象学
四 自覚と世界 ハイデッガーとの対決
五 行為的直観の現象学
3 「種のアフォーダンス」テーゼ 田辺哲学あるいは「種の論理」と行為
一 第三テーゼとその意味
二 田辺哲学の「再考」
三 種の論理の論郭づけ
四 「行為」の意味
五 行為的瞬間としての無
六 種の概念の修正
七 種の論理の隠れた動揺
八 種のアフォーダンス
4 「語黙通底」テーゼ 久松真一の禅思想あるいは「覚の哲学」と言語
一 第四テーゼとその意味
二 覚の宗教
三 覚の哲学(一)
四 覚の哲学(二)
五 語り得ないものの語り
5 「自他の回互」テーゼ 西谷哲学あるいは「空の立場」と他者
一 第五テーゼとその意味
二 「負」の大きさ
三 西田と西谷の「近さ」
四 ノエシス的合一
五 西田と西谷の対決点
六 「回互」の構造
6 「超近代」テーゼ 京都学派の思想あるいは「世界史の哲学」と物語行為
一 第六テーゼとその意味
二 京都学派の「世界史の哲学」
三 絶対の「無」と歴史世界の「有」
四 西田・田辺論争
五 超近代 近代との非連続の連続
7 「悲」のテーゼ
一 第七テーゼとその意味
二 「悲」の場所としての局処世界
三 「悲」の通路としての「ノエシス的超越」
四 「悲」の行為的生成としての「アフォーダンス」
五 「悲」の表現としての言語行為
六 「悲」の他者開示
七 「悲」の歴史開示
付論 「悲」と「哄笑」 『ツァラトストラはかく語った』と禅
一 宗教批判の着手点としての「笑い」
二 『ツァラトストラはかく語った』に出てくるさまざまの「笑い」
三 「笑い」の諸解釈
四 ツァラトストラの憧憬
五 禅の「笑い」とキリスト教の「悲」
結語
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