スピントロニクスの基礎と応用 理論、モデル、デバイス
本書はTomasz Blachowicz とAndrea Ehrmann によって書かれた「Spintronics : Theory, Modelling, Devices」(De Gruyter (2019)) の訳書である.題名にもなっているSpintronics(スピントロニクス)は,電子の電荷自由度に加えてスピン自由度を積極的に利用することで,これまでにないエレクトロニクス機能の開発を目指す研究分野である.スピントロニクスの理論的な基礎から,実験研究の現状,そしてデバイス応用まで多岐に渡る話題に触れられている.量子力学の基本的な事柄から最先端の話題まで段階的に説明されており,スピントロニクス分野を学びたい学部上級生から大学院生,そして研究機関や企業の研究者にとって最適な教科書である.さらに,扱う内容が多岐に渡ることから,スピントロニクスを専門としている研究者が読んでも,新しい発見があると思う.(東京大学准教授 塩見雄毅)
第1章 イントロダクション
第2章 スピントロニクス構造における物理現象
第3章 磁化ダイナミクス研究におけるマイクロマグネティック方程式
第4章 磁化ダイナミクスの検出
第5章 多層構造における接触効果
第6章 スピントロニクス構造における輸送現象
第7章 スピントロニクスデバイス
第8章 外的要因や物理的な場がスピントロニクス素子動作に与える影響
第9章 実用的なスピントロニクス材料
参考文献
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