氷の仮面

著:塩田 武士
定価:924円(本体840円)

「ずっと、好きでした」

泣いて、隠して、あきらめて。それでも女の子になりたかった――。

『罪の声』の著者がたどりついた「本当に人を愛する」ということ。感動の傑作長編。


*******

「えっ、真壁君、ほんまにするの?」
「目つむれ」
「へっ? あかん、あかん」
後ずさった翔太郎の肩を真壁君が両手でがっしりとつかんだ。
「深呼吸しろ」
 言われるがままに大きく息を吸って、長く吐いた。その間、お互い顔を見られなかった。(本文p111-112より)

*******

小学四年の春、同じクラスになった真壁君の顔を見たとき、翔太郎は恋のきらめきと痛みを知った。小さな希望すらも打ち砕かれる人生。仮面の下、ずっと女の子になりたかった――。終章、二十四年後の春に明かされる優しく美しい秘密とは。生きてゆくことの切なさに共感せずにはいられない感動の青春恋愛小説。

氷の仮面

書店によって取り扱いがない場合もございますので、あらかじめご了承ください。電子書籍での価格は紙の本と異なる場合がありますので、詳しくは各電子書店でご覧ください。

書店在庫を見る

オンライン書店で見る