皇后雅子 妃から后への三十年
皇太子の結婚をめぐって宮内庁が強く要請し、国内メディアが沈黙することを承諾した報道自粛の申し合わせ。それが成ることによって、目的とはまったくちがった、誰も予測していなかったことが起きた。雅子妃決定に至るまでの「事情」とはいったいどのようなものだったのか……。当時朝日新聞の皇室記者として取材の最前線にいた著者が、次の時代を前に歴史の証言として残す「ほんとうの物語」。
2019年4月をもって31年を数えた「平成」は終わり、つぎの時代が始まります。また、新天皇は昨年に結婚25周年の銀婚式を迎えました。皇太子徳仁親王と小和田雅子さんの結婚決定をめぐるストーリーには、いまだ伏せられたままの「事情」があります。それを知ることによって初めて、皇太子と雅子さんの結婚が決まるまでに何があったのかの全容が明らかになります。その「事情」とは、皇太子のお妃選びをめぐって報道機関が取り決めた「報道自粛」に関係しています。当時、宮内庁が強く要請し、国内メディアが議論の末に承諾した報道自粛の申し合わせ。それが成ることによって、目的とはまったくちがった、誰も予測していなかったことが起きました。報道自粛は、はからずも皇太子の結婚そのものに対して「足かせ」となると同時に、幅広いメディアの沈黙につながりました。結果として皇太子の結婚をめぐる世論の形成は阻害され、皇室についてさまざまな議論がなされる環境を損なってしまったのです。まさに「最初のボタンのかけちがい」がその後の東宮家の運命と報道のありかたを決めてしまったといえましょう。
皇太子妃決定に至るまでに宮内庁はどう動いたのか、「お妃選び」の実際はどんなものだったのか、皇太子自身はどう考え、行動したのか……。本書は、皇太子夫妻が、国の象徴であり国民統合の象徴である天皇と皇后になるのを前に、当時朝日新聞の皇室記者として取材の最前線にいた著者が、「ほんとうの物語」を歴史の証言として書き残そうとするものです。
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