怪物ベンサム 快楽主義者の予言した社会
功利主義者、パノプチコン創案者。近代批判の中で忘却されたベンサム。しかし、この怪物の構想は現代にも生きている。死刑廃止、動物愛護、都市衛生、同性愛擁護、さらにはチューブによる社会通話システム、冷蔵庫……。人間を快感と欲望の中に配置し、自我の解体をも試みた男。19世紀最大の奇人啓蒙思想家の社会設計図を解読し、その背景を解明する。(講談社学術文庫)
功利主義者、パノプチコン創案者。近代批判の中で忘却されたベンサム。しかし、この怪物の構想は現代にも生きている。死刑廃止、動物愛護、都市衛生、同性愛擁護、さらにはチューブによる社会通話システム、冷蔵庫……。人間を快感と欲望の中に配置し、自我の解体をも試みた男。19世紀最大の奇人啓蒙思想家の社会設計図を解読し、その背景を解明する。
ベンサムというのは徹底して変な人である。……著者が発見したベンサムは近代を切り開いた人物ではなくて、現代の予見者だった。ベンサムは19世紀のロマン主義や歴史主義とはまったく関係がない。19世紀を跳び越して、20世紀と、いや21世紀とさえじかにつながっているのだ。これは大変な創見といわねばならない。 ――<「解説」より>
※本書の原本『ベンサムという男 法と欲望のかたち』は、青土社より1993年刊行されました。
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