冒険商人シャルダン

著:羽田 正
定価:1,210円(本体1,100円)

多様な宗教と言語が行き交うペルシアで成功を収めた商人にして旅行記作家のジャン・シャルダンは、新教への迫害が続く息苦しい故郷・パリを捨ててロンドンに移住し、爵位を得た。しかし、彼の最大の悩みは、怠け者の長男の行く末だった――。時代に翻弄されつつ「一級史料」を書き残した市井の人物の生涯と、彼らが生きた17世紀の社会を活写する。(講談社学術文庫)


世界を旅し、記録した「マイナーな男」の波瀾万丈
時代に翻弄され、家庭に悩んだ旅行記作家の生涯。歴史の小さな襞から、17世紀の<世界>を照らし出す。

多様な宗教と言語が行き交うペルシアで成功を収めた商人にして旅行記作家のジャン・シャルダンは、新教への迫害が続く息苦しい故郷・パリを捨ててロンドンに移住し、爵位を得た。しかし、彼の最大の悩みは、怠け者の長男の行く末だった――。時代に翻弄されつつ「一級史料」を書き残した市井の人物の生涯と、彼らが生きた17世紀の社会を活写する。

はじめは、300年も前のこんな「マイナーな人物」に関して十分な史料があるのだろうか、と疑っていたのだが、出るわ出るわ、こんなことまでと思うほどたくさんの新しい事実が明らかになり、私はシャルダン研究に夢中になっていった。第4章の冒頭にも記したように、史料としてまだほとんど使われていないシャルダン関係の大量の手紙や文書類をイェール大学で「発見」した時、私の興奮は最高潮に達した。――<「おわりに」より>

※本書の原本は、『勲爵士シャルダンの生涯――十七世紀のヨーロッパとイスラーム世界』として、1999年に中央公論新社より刊行されました。

冒険商人シャルダン

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